編入の大変な側面

ー大学編入ー それは毎年多くの学生に新たな環境で学ぶ道を与えてくれる素晴らしい機会である。想像に難くないが、編入学者の多くはより偏差値の高い大学に編入する いわば「学歴ロンダリング」として編入を志し、実際に入学する者も少なくない。そして情報発信者の多くは編入後の単位や将来の準備に追われる忙しい日々でありながらも、以前の環境では得られなかった経験に感動し、自分に自信をつけて次の道への努力をしていく。そのためか編入性はいわゆる難関企業への就職や難関大学院への進学を実現する人が多いという声もある。

確かに、これらは事実である。しかし、編入したからといって必ずしも今までの環境では得られなかったものが得られる、自分の状況がポジティブにチェンジするわけではない。もちろん、受け身な、他人任せな姿勢ではどんなにいい環境が与えられようともモノにできないが、ここで言いたいのはそういうことではなく、前の環境に居続けたほうがかえってよかったと思ってしまった事例もあるということだ。このブログではあえて巷では書かれないようなことを書く。身バレしそうだが、まあいいや。なんでかって、それは自分と同じ道を歩む人が出てきてほしくないから。正直、編入試験に受かっていわゆる「偏差値」が在籍校より高かったとしても、編入学せず在籍大学に残り続ける道を選ぶのもいいと思う。

では、なぜこう感じうるのか。大きく分けて3つある。1つ目は残り単位数の多さ、2つ目は授業の難易度の高さ、3つ目は地域性&校風。自分は1つ目は承知の上だったが2つ目と3つ目に想像以上にキツかった。正直泣きたい。

1つ目の単位数の多さであるが、編入は3年次からの2年間で一般生とはけた違いに多くの単位を取らないといけない。80とか100とかそれほどである。当然就活をする場合は時間的に大きな足枷となる。

2つ目の授業の難易度の高さであるが、もちろんレベルの高い授業を受けられるのは面白いなとも思った。こっちの大学に来たからこそ受けることができてよかったなと思う授業もあった。だが、将来研究者になりたいわけでもない場合、より難易度の高い授業を受けることはわざわざ環境を変えてまでやりたいほど重要なことであろうか?

そして3つめの地域性&校風、見逃しがちであるがこれがなかなかネック。同じ「大学」だし、より難関な大学なんだからきっと刺激のある環境で過ごせるのだろうなと思った。しかし、校風や地域性の違いゆえか「刺激」「いい環境」の定義がそもそも違っていた。自分の場合、求めていたものはそこにはなかった。それどころか半ば真逆ともいえるものがそこにはあった。

そのほか、前の環境と比べて学生数が少ないこと、立地、諸々へのアクセスがそこまでよくないことはちょっと感じていた。

逆に良かったこととしては、蔵書の多さ、勉強への意識の高さ、設置学部の多さがあげられるかな。

自分は大学編入という選択肢に対してどうこう思っているわけではない。正直どうしても専攻を変えたい人、院に行きたい人にとってはとても素晴らしい選択肢だと思っている。しかし、人によってはむしろ茨の道になりかねない。正直「合格した」という実績だけで…と思わなくもない。巷では見かけないかもしれないが、こういう人もいる。だから、大学編入と検索してこの記事にたどり着いた編入志望者は編入受験勉強をするか否か、そして同じくらい受かったところに編入学すべきかを真剣に、多面的に考えてほしい。